まんまるとした猫もそれは可愛いのですが、蓄え過ぎた脂肪は、高齢になった時に内臓や関節などに負担をかけてしまいます。
猫は人間でいう44歳にあたる7歳頃からシニア期という見方もあって、運動量と代謝が落ちるためさらに太りやすくなってきます。
(40代でシニアっていわれたら私なら怒るけどね!笑)
逆にハイシニア期と言われる11歳ころからは痩せる傾向にあります
運動量が減る分、食事の摂取カロリーも減らさなければいけないのですが、食欲旺盛な猫さんは「それじゃ納得できない!」なんてことも。
【食べること=生きること】である猫にとって、食事でストレスを与えるのも可哀想ですよね。(そうやって甘やかしてしまった犯人は私です…)
そこで今回は、ごはんを減らされることに納得できない猫さんのために、
キャットフードのかさましは可能?
野菜は使っていいの?量は?
ささみや寒天を使うのは危険?
使ったらいけない食材や注意点は?
といった、キャットフードのかさましに関する疑問について、まとめてみました。
基本は栄養バランスが考えられたキャットフードのみでの調整をおすすめします。
どうしても食欲が落ち着かない、催促が止まない、盗み食いしようとする、といった対策としてのかさまし案です。
※1歳未満の子猫は成長期のためダイエット対象外です。健康だけど肥満気味な猫のダイエット対策としてお考えください
キャットフードをかさましするのってアリ?
そもそも、総合栄養食のキャットフードには、猫に必要なエネルギーや栄養素がバランスよく配合されているため、かさましなどせずに適量を食べてくれることが一番。
ですが、ついフードを目分量で与えているうちに、適正な給餌量をオーバーしてしまっていたり、シニア期に突入して身体の代謝が落ちたにも関わらず、フード量の調整をしないでいると、消費するカロリーより摂取カロリーのほうが多くなってしまい、気付けばぽっちゃり、なんてことに。
キャットフードのパッケージ(袋)に記載されているのは、理想体重に対する給餌量の目安です。
まずは、自分の猫さんに必要なカロリーを計算してみてくださいね。
1日に必要なカロリーとフード量の計算はこちらで解説しています↓
キャットフードを急に減らすことは危険なので、徐々に減らす必要がありますが、ほんの1,2gの減量であっても「なぬっ?!」と勘づいてしまう猫さんもいます。
フード量を減らした分、野菜など低カロリー食材でかさましすることによって、フード量をゆるやかに減らしていけたら、猫さんのストレスも軽減できるかもしれません…よ?
猫のダイエットは長期戦(半年~1年以上)なので、フードは急に減らさず、すこーしずつ調整していくのがポイント!
※獣医さんから療法食を勧められるような場合は、先生の指示に従ってくださいね。
かさましの注意点
かさましは猫の満腹感を補うことが目的なので、カロリーや栄養価が高いものは避けます。
猫が食べて良いとされるものでも、食べ過ぎは身体に毒ですし、猫によってアレルギーの有無も異なります。
初めて与えるものは少量からにして、食後の様子や排泄物の状態をチェックしつつ、調整していってください。(気になる変化があれば獣医さんに相談を)
どれくらいの量を食べてもいいか、という判断基準はないため、かさましといっても、トッピング程度の量に留めることがおすすめです。
かさましに野菜を使ってもいいの?
人間と暮らしてきた歴史が長い犬は雑食性へ変化していますが、猫は肉食動物のまま。
ですが、獲物である草食動物が食べた野菜由来の栄養分を間接的に摂取して生きてきたため、野菜のもつ栄養素が全く不要というわけでもありませんし、キャットフードにも色々な野菜が配合されています。
ただし、直接野菜を食べたところで、栄養分を上手に吸収できるとも限らず、また食べてはいけない野菜も存在するため、選び方や調理方法、量に注意しつつ、満腹感をだすためのかさましととして利用する方法はアリです。
猫に食べさせてはいけない野菜
まずはかさましに使ってはいけない食材、猫に食べさせてはいけない野菜は以下のとおり。
- ネギ類(たまねぎ、長ネギ、ニラ、らっきょうなど)
- じゃがいもの芽
- 生の大豆
- アボカド
- アロエ
- ぶどう・レーズン
- にんにく
- ナッツ類
- 野生のキノコ
かさましには使わないチョコレートや飲み物、観葉植物などは論外としています。
かさましに使える野菜は?
猫が食べてもいいとされる野菜、キャットフードのかさましに使える野菜は以下のとおり。
とはいえ、そもそもは与える必要がない食材であること、アレルギーを持つ猫さんもいることを念頭において、ごく少量から試してみてください。
キャベツ | 茹でて小さくカット |
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白菜 | 茹でて小さくカット |
ブロッコリー | 茹でて小さくカット |
レタス | さっと茹でて小さくカット |
きゅうり | 厚めに皮を剥き、常温かさっと湯通し |
にんじん | 皮を剥き、やわらかく茹でて すり潰すか小さくカット |
ほうれん草 | 必ず茹でこぼして小さくカット (レンジ加熱の場合は水に放す) |
豆類 | 小豆・大豆・ひよこ豆・枝豆なら可。 ゆでて潰すor小さくカット 塩ゆで✖。お腹が弱い猫にもNG |
かぼちゃ | 皮と種を除いて茹でつぶす。 ただし高カロリー |
じゃがいも | 皮をむきしっかり芽をとって茹でつぶす |
さつまいも | 皮を剥いてアク抜きし茹でつぶす |
アスパラガス | 筋を取るか、柔らかい部分を茹でて 小さくカット |
トマト | 熟したものを茹でてカット (できれば種を除く) |
カリフラワー | 茹でて小さくカット |
食べて問題ないと言われていても、かぼちゃなら高カロリーでダイエットには向きませんし、じゃがいもやさつまいもの炭水化物量も気になります。
レタスは少量なら生食可とされますが、さっと湯どおししたほうが食べやすいかもしれません。
野菜のもつ小さなトゲなどが猫の消化器官を傷付けてしまったり、農薬や汚れなどの心配もあるため、皮を厚めにむく、柔らかく茹でて小さくする、といった工夫が必要です。
また、トマトなど酸味のあるものを嫌う猫も多く、ほうれん草のシュウ酸は膀胱炎や結石の原因になるため、必ず茹でこぼすかレンジ加熱後に水にさらしてアク抜きする必要があります。
緑黄色野菜や根菜類は栄養豊富なイメージがあるかもしれませんが、あくまでもかさましなので、カロリーの低いキャベツや白菜などを使うのが無難です
野菜を使う注意点
野菜は基本的にアルカリ性食品。
尿のpHをアルカリに傾ける作用があるので、沢山食べるとストルバイト結石などのリスクが増す可能性がでてきます。
そのため、かさましとして加える量は小さじ1杯程度。
そして味付けはしないこと、ゆでる(加熱する)こと、小さく切るか潰すこと。
ウェットフードに混ぜるか、ドライフードのトッピングとして、あくまでもちょい足しすることが前提なので、茹ですぎたら栄養が逃げちゃう…なんてことはあまり気にしなくてOKです。
ささみでかさましはあり?
肉や魚といった動物性タンパク質は、肉食の猫にとって欠かせない栄養源。
その肉類の中でも脂肪分が少なく低カロリーなささみは、ダイエット中の猫でなくても、おやつやごはんのトッピングとして活用される方も少なくないメジャーな食材。
腹持ちもよく消化もしやすいのでダイエット食材としても向いているような気がしますが、野菜よりカロリーは高いうえ、リンやマグネシウム含有量を気にされる方も少なくありません。
少量なら問題ないともいわれますが、キャットフードでバランスのよい食事を取ることが理想なので、ダイエット猫さんのかさまし食材としてはあまり向いていないような気がします。
野菜を茹でる時に少量(1cm程度)細かく刻んだささみを風味付けとして活用する程度に留め、調味料の使用はもちろんNGです。
消化器官が未発達の子猫はもちろん、内臓機能が低下する高齢猫さんや尿結石経験のある猫さんにはわざわざ与える必要はありません
寒天やゼラチンでかさましするのはOK?
猫用にこごりとでもいいますか、寒天やゼラチンを使ってかさましする方法もあります。
野菜などを一緒に使うならゼラチンもありですが、もう少し食感のある寒天のほうが、食べ応えはあるかもしれませんね。
ただの水よりは、塩分不使用の鰹節や煮干しを使っただし汁や、ささみのゆで汁を使って寒天を作るのがおすすめ。
固まったらのどにつかえないように細かくカットしてフードに混ぜます。
食物繊維が豊富なので便秘気味なら解消することもありますが、逆にお腹がゆるくなるケースもあるので、与えるなら様子をみながら少量ずつ。
寒天を使う注意点
寒天を使っているキャットフードもあり、アレルギーはでにくい食材ですが、絶対ではないこと、初めての食べ物に身体が驚いて吐いてしまうこともあります。
また、寒天に含まれる食物繊維がキャットフードの栄養素の吸収を邪魔してしまったり、寒天を作る時の水分が少ないと、胃腸の水分を吸収して逆に便秘になってしまうことも考えられます。
また、寒天はミネラル豊富なので、毎食与えるのはやや不安もあります。
排便や尿のpH値などの様子をみつつ、日を空けて少量を与えるなど、健康管理に気を配りたいところです。
寒天を食べる都度少量作るのも大変ですし、コストもかかってしまうので、我が家ではマグロゼリーやささみゼリーをベースにしたナチュラルキッスを活用してます。
余計な添加物不使用&低カロリーなので、助かってますよ↓
キャットフードのかさましまとめ
以上、キャットフードのかさましについてまとめてみましたが、猫さんによって好き嫌いもあれば、アレルギー反応などにも個体差があります。
かさまし食材には十分注意の上、
- 少量からはじめること
- 基本は茹でること
- 小さくカット、潰すこと
以上3点に気を付けながら、猫さんの食いつきや体重変化などもチェックしてみてくださいね。
基本はキャットフードでバランスよく栄養を摂ること、ということもお忘れなくです
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