今までキャットフードの量は目分量で与えてきたけれど、なんだかうちの猫さん、ぽっちゃりしてきたような…?
猫が食べる大体の量はわかってるから、と常に同じ量のフードを与えていると、運動量が低下したり、加齢によって代謝が落ちた時に、余分なエネルギーは脂肪として蓄えられてしまいます。
我が家の猫、にゃーち(推定9歳♀)はまさにそう。
でも、
ダイエットのための餌の量やカロリー計算はどうしたらいいんだろう?
キャットフードの袋に書いてある通りの量でもいいの?
給餌量目安の体重って今の体重で見てもいいの?
いざやってみようとすると疑問も沢山でてきます。
そんなわけで今回は、「猫をダイエットさせるためのフード量」と「カロリー計算の仕方」をお伝えしていきます。
肥満気味な猫のフードの量の決め方
以前お伝えした、猫の肥満度をチェックするBCS(ボディーコンディションスコア)で、BCS4.5、理想体重は4.7kgと推測できた我が家の猫(にゃーち♀・推定9歳)。
BCSと理想体重の求め方はこちら↓
理想体重に戻すためには、運動量を増やすことと、フード量をコントロールする必要があります。
でもダイエットさせるためにはどれくらいのフード量を減らせばいいのか、悩みますよね。
簡単な計算方法では、猫の成長期にあわせてカロリーをかけるものがあります。
- 子猫(2ヶ月~1歳)は体重×160kcal
- 成猫(1歳~)は体重×80kcal
- シニア期(7歳~)は体重×60kcal
- 肥満の場合は体重×40kcal
また、キャットフードの袋にも目安となる給与量が体重別で記載されていますが、あの体重は理想体重を指していて、数字にも幅があるためざっくりとした目安になってしまいます。
そこでよく利用されている計算方法が、1日に必要なエネルギー要求量(DER)を求める方法です。
DER(Daily Energy Requirement)
DERを計算するには、以下の手順が必要になります。
- 安静時に必要なエネルギー量(RER)を計算する
- RERに猫の状況に合わせて分類した数値を掛ける
ではまず、DERを計算するために必要なRER(安静時に必要なエネルギー量)を計算してみましょう。
①安静時に必要なエネルギー量(RER)の計算方法
安静時に必要なエネルギー量とは、猫が特になにもせず、ごろごろゆったりと過ごす場合に必要となるエネルギー量(RERといいます)のことで、計算方法が決まっています。
RER(Rest Energy Requirement)
RERの計算方法は次のとおりです。
RER= (猫の体重kg)0.75乗×70
という方は、電卓を使って計算できますよ。
0.75乗=3/4乗なので、まずは猫の体重の3乗を求め、その後√(ルートボタン)を2回押します。
あとは出てきた数字に×70をするだけです。
3乗の計算は同じ数を3回かけ算します。
体重3kgなら、3×3×3ですね。
では、これをにゃーちに置き換えて計算してみたいと思います。
ん?ここで疑問がでてきますよね。
計算式にある「猫の体重」というのは、既に肥満気味な現在の体重を当てはめてもいいのでしょうか?
答えはNo。
RERの計算式では、太っても痩せてもいない、標準体型の猫の体重が前提となっています。
そのため、今回はにゃーちの理想体重である4.7kgをあてはめて計算しなくてはいけません。
つまり、
- 4.7×4.7×4.7=103.823
- √(ルートボタン)を2回押す⇒3.19207725…
- そのまま×70=223.4454…
RERは223となります。
iPhoneの電卓で計算する場合は、スマホを横向きにすると、ルートボタンが表示されます。
体重を3乗したあと、〇で囲ったボタンを2回タップして×70すればOK。
ちょっと何言ってるかわからない…という方は、ざっくりした数字にはなりますが、
30×体重(kg)+70
という計算でも構いません。
②1日に必要なエネルギー要求量(DER)の計算方法
ではいよいよ、1日に必要なエネルギー要求量(DER)を計算していきます。
①で計算したRERに「猫の状況に合わせて分類した数値(活動係数)」を掛けるだけです。
成猫(去勢・避妊済み) | 1.2 |
成猫(去勢・避妊してない) | 1.4 |
成長期 | 2.5(または自由採食) |
活発な成猫 | 1.6 |
肥満傾向 | 1.0 |
減量中 | 0.8 |
ダイエット=減量させたい猫の場合、数値は0.8(減量中)となっていますが、理想体重はあくまでも推定であること、そして急なダイエット(カロリー制限)は肝脂肪のリスクもあるため、まずは肥満傾向「1.0」を掛けた数値から調整していくほうが無難です。
つまり、先ほど計算したRERの数値「223」がそのまま1日に必要なエネルギー要求量(DER)となります。
あとは体重変化の様子をみつつ、痩せない場合は「0.8~1.0」の間で再計算して1日に必要なエネルギー量を調整していきます。
DERを使って1日のフード適正量を決める
DER(1日に必要なエネルギー要求量)がわかったら、1日の適正フード量を計算することができます。
DER÷食物の代謝エネルギー(kcal/g)
キャットフードのパッケージに記載されている代謝エネルギーを確認しましょう。
現在のにゃーちのメインフードはサーモンたっぷり、穀物不使用のグランツ。
グランツ(サーモン)の代謝エネルギーは361kcal/100gとなっています。
1gあたりのkcal数は3.61(kcal/g)ですので、
223(DER)÷3.61=61.7g
つまり、ダイエット中のにゃーちの給餌量目安は62g/1日。(食べこぼしを見越して切り上げにしました)
この給餌量を普段与えている回数で割ればOKです。
※これらはあくまで目安であって、年齢や個体差、生活環境、活動量によって1日に必要なエネルギー量は変わってきます
体重変化がなければ、徐々にフード量を減らしていきます。(現在、にゃーちの1日の給餌量は45~50g+おやつとなっています)
計算方法によってフード量の目安が違う
フード量の計算方法は1つではなく、計算方法によって答えが違ってきます。
例えば、「猫 餌の量 計算」などと検索すると、数字を入力するだけでフード量とカロリー量を自動計算してくれるサイトもあります。
>>猫のカロリー計算
上記サイトで計算すると、にゃーちの1日に必要なカロリーは204 kcalです。
1日に必要な餌の量は56グラムです。
上記サイトで計算すると、にゃーちの1日に必要なカロリーは約190.4Kcalです。
現在与えているフードだと約53g分です。
といった差がでてきますので、あとは猫の様子や体重の推移などを確認しながら、飼い主さん側で適正なフード量を見極めていくしかありません。
ダイエットしたい猫の餌の量やカロリー計算まとめ
というわけで、肥満気味の猫のフード量の決め方やカロリーの求め方をお伝えしました。
電卓を使って、
体重 × 体重 × 体重 = √ √ × 70
出てきた数値(RER)× 活動係数(1.0~0.8)
出てきた数値(DER)÷ フード1gあたりのカロリー
※肥満傾向~減量中の猫の場合
※理想体重で計算する
今までなんとなくで決めていたフード量が、少しはっきりとした目安で把握できましたね。
もちろんフードを減らすだけのダイエットはNGですので、運動量をあげることも大事ですし、ここで算出した数値だけを頼りにするのもよくありません。
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